皆さんこんにちは!
株式会社NBF、更新担当の中西です!
第4回|現場準備のすべて — 事前調査・許可・近隣調整・リハーサル
2号警備の品質の8割は現場に入る前に決まります。準備は「地図づくり」ではなく、現地の“呼吸”を読み、関係者の“合意”を整えるプロセス。ここでは、明日から使える“型”として、事前調査→許可→近隣調整→資器材→人員教育→最終リハの6ステップを徹底解説します。
1|事前調査(現地踏査)—“紙の上の計画”を“現場の計画”へ
時間帯別の表情を必ず見る(朝夕ラッシュ・通学・集配・イベント前後)。 – 視程と見通し:カーブ・勾配・逆光・街路樹・看板の陰。写真と動画で保存。 – 道路幾何:有効幅員・路肩・停止余地・退避スペース・横断需要(コンビニ・駅)。 – 生活動線:学校・高齢者施設・病院・保育園・商店街・バス停・横断強者の位置。 – 交通特性:制限速度・平均車速・大型比率・自転車通行の方向・違法駐車の癖。 – 環境要因:騒音・夜間照度・雨天排水・風向・足元段差・工事残土の飛散リスク。 踏査メモは地図にピン留め&写真番号で紐づけ。隊長の頭の中をチームの共通言語へ。
2|許可・協議—“正しく通す”ことで、後工程の自由度が増える
• 道路使用許可(所轄警察):規制内容・時間帯・片側交互・通行止め・保安員配置。
• 道路占用(必要時):仮設柵・看板柱・電光掲示板等の設置位置。
• 所轄との事前協議:歩行者代替導線・バス停移設・臨時横断・夜間作業の騒音配慮。
• 主催者/元請合意:工期・搬入出時間・大型車経路・近隣説明の分担。 許可図は“予告→減速→分岐→作業帯”の順で視線誘導が連続するかを再確認。
3|近隣調整—“不便”を“納得”に変えるコミュニケーション
• 説明先の棚卸し:学校・園・病院・物流拠点・商店・タクシー・バス事業者・自治会。
• 説明ツール:A4チラシ(地図・期間・時間・問合せ)/掲示板ポスター/SNS告知。
• 声かけの型:
o 開始前:
「〇月〇日〜〇日、〇時〜〇時で片側交互通行です。歩行者は緑のラインへご案内します。ご不便を最小にしますのでご協力をお願いします。」
o 進行中:
「いま5分ほど作業が詰まっています。バスは臨時停留所をご利用ください。」
o 終了後:
「ご協力ありがとうございました。改善点があれば教えてください。」
• クレーム未然防止:連絡先付きの“ありがとうカード”を配布。感情の温度を下げる。
4|資器材計画—“足りない”は事故、“余らせる”は保険
• 基本セット:コーン・バリケード・バー・カラーコーンバー・ウエイト・コーンヘッド点滅灯・誘導灯・反射ベスト・ヘルメット・無線・予備バッテリー。
• 案内資材:A看板・横断幕・路面テープ・矢印マット・音声案内・LED案内板。
• 保全資材:砂袋・養生パネル・コーンペイント(夜間視認)・滑り止めマット。
• パッケージング:
o “区画単位”に小分け(例:北エリア箱/南エリア箱)。
o 箱の外面に写真付き内容表。誰でも同じ5分で立上げ可能に。
5|人員配置・教育—“型合わせ”で品質のバラつきをゼロへ
• 役割:隊長/サブリーダー/誘導A・B/観察員/予備(巡回・休憩代替)。
• ミニ訓練:
o 無線プロトコル:
呼出:「北1、こちら本部」→ 返答:「本部、北1どうぞ」→ 用件→ 復唱→ 終了「以上」。
o 合図合わせ:停止・徐行・進行・バック誘導・緊急停止をテンポで合わせる。
• ロールプレイ:怒れる来場者・急ぐ救急車・雨天で見えない・ベビーカー集中——10分×3本で体に入れる。
6|最終リハーサル—“机上→路上”の橋渡し♂️
• ウォークスルー:配置点を順に歩き、視線の流れ・死角・逃げ場を確認。
• 立上げタイム計測:機材展開に何分? “T0=スタート”の共通時計を決める。
• 緊急時シナリオ:迷子・転倒・体調不良・接触事故・火災・救急ルートの確保。
• KYT(危険予知):各持ち場のヒヤリハット3件を宣言し対策を貼り出す。
7|当日用テンプレ—「そのまま使える」台本と帳票
• タイムライン例:
o T-60:集合・点呼・健康確認・装備チェック。
o T-45:機材搬出・ポジション移動開始。
o T-30:仮設規制設置・予告板展開・無線テスト。
o T-10:最終確認・周辺声かけ。
o T:運用開始。
o 途中:30分ごと小ミーティング(密度・車列・天候・クレーム動向)。
o T+10(終了後):巻き取り・ゴミ回収・近隣挨拶・事後ミーティング。
• 帳票:日報/KYTシート/機材管理表/クレーム記録/ヒヤリハット報告。
8|ケーススタディ—商店街前の配水管更新工事
• 課題:朝夕の通学・通勤と物流トラックが衝突。バス停が作業帯に近接。
• 対策:
o 学校と協議し、始業前30分は歩行者優先運用。
o バス停を30m移設、臨時案内板と地面矢印で迷いゼロ。
o 物流は予約搬入へシフト。大型は時間窓(11:00–13:00)のみ通過許可。
o 見通しの悪いカーブ手前に予告員を追加、速度を時速20km相当まで低下誘導。
• 結果:クレーム0、ヒヤリ2→再発防止策を次回の標準に反映。
まとめ
準備とは、安全の“合意形成”です。踏査・許可・近隣・資器材・教育・リハ——一本の線でつなげば、現場は予想の範囲内になります。明日は配置計画と機材選定を“見える化の科学”で深掘りします。✨
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株式会社NBF、更新担当の中西です!
第3回|交通誘導の基本—片側交互通行・合図・規制運用
交通誘導の目的は、工事の安全と交通の円滑を両立させること。ドライバー・歩行者・自転車・工事関係車両が“お互いの意図を読み合える状態”を作るのが理想です。ここでは片側交互通行を軸に、現場設計と運用の要点を解説します。
1)施工計画と規制図:現場の“設計図”を読み解く
最初に施工手順・搬入出・重機動線を確認し、規制図に落とし込みます。見通し距離・制限速度・交差点距離を勘案し、徐行・停止位置を決定。ドライバーが「次に何をすればいいか」を直感で理解できる並びにします(予告→速度調整→停止→誘導)。
2)片側交互通行の運用:信号のない“信号機”になる
• 停止位置を守る:停止線の手前で“余白”をつくると追突を防げます。
• 見合い時間の調整:対向の“待ち時間”が長すぎると焦りが事故の火種に。小刻み運用で不満を溜めない。
• 無線で先頭車情報を共有:「大型1台+普通3台」など、塊で通す設計にすると効率UP。
• 歩行者優先の瞬間判断:高齢者・児童には片側を止め切る勇気。
3)合図:停止・徐行・誘導の“型”をそろえる
• 停止:胸の前で両手を交差→運転手の目を見る→静止を確認。
• 徐行:手のひらを下に、上下で速度コントロール→明確な幅で。
• 進行:腕を大きく“開く”→進行方向を指差し→お辞儀で感謝。
• バック誘導:運転手と合図の事前確認→死角に入らない→停止の逃げ場を確保。♂️
4)夜間・雨天・強風:視認性と声の届き方
• 夜間:逆光を避ける位置取り。誘導灯は胸の高さで“面”を見せる。
• 雨天:フードが視界を狭める→横目確認を増やす。合図は大きく。
• 強風:看板・コーンの転倒を先読みし、予備重りを用意。
5)歩行者・自転車・バス停:生活動線に敬意を
• 歩行者:臨時横断を設け、遠回りを強いない。
• 自転車:降車をお願いする際は短く丁寧に。
• バス停:停留所の一時移設と案内看板を事前周知。
6)ヒヤリハット事例と対策
• 見通しの悪いカーブ:手前に予告員を追加し、速度を落とす。
• スマホ注視の歩行者:足元サイン(路面矢印・テープ)で視線を下に誘導。
• 雨で路面反射:反射材の位置を下げると視認性が回復。
7)チェックリスト(抜粋)
• 規制図/見通し距離/停止位置/退避地
• 合図の統一・ロールプレイ
• 予備バッテリー・雨具・替え手袋・タオル
• ドライバー心理を和らげる一言ボード(「ご協力ありがとう」)
まとめ
交通誘導は「安全のために待っていただく」時間を、納得感のある体験に変える仕事です。合図の大きさ・位置取り・一言のやさしさで、事故は確実に減らせます。次回は現場準備のすべてを、手順化して解説します。
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